2024.10.21 Mon 2024.10.24
株価大暴落に備える対処方法
株価が大暴落する日は必ず来る
近年、世界の株式市場は驚異的な上昇を続けています。
日本では日経平均株価が30年ぶりに最高値を更新し、米国ではNASDAQ指数が史上最高値を更新し続けています。
新型コロナウイルスの影響を受けた財政出動や金融緩和策が大きく影響していますが、特に、NVIDIA社の株価は人工知能(AI)ブームに乗って急激な上昇を見せ、時価総額が1兆ドルを超える大台に乗りました。
しかし、このような急激な上昇は、いつか必ず調整局面を迎えます。歴史的に見ても、株式市場は周期的に大きな上昇と下落を繰り返してきました。そのため、投資家は常に市場の暴落に備える必要があります。
本記事では、株価大暴落のリスクと、それに対する備えについて詳しく解説していきます。
過去の事例や専門家の見解を参考に、個人投資家が取るべき対策を提案します。
金融市場の大きなリスク
金融市場は常に不確実性を伴うものですが、時として大規模な暴落が起こることがあります。このような暴落は、投資家の資産を一瞬にして大きく減少させる可能性があります。
過去の事例を見てみましょう。1929年に始まった世界大恐慌では、ニューヨーク株式市場が89%も下落し、世界経済に甚大な影響を与えました。
より最近では、2008年のリーマンショックがあります。これは、サブプライムローン問題に端を発した金融危機で、世界中の株式市場が大暴落し、多くの金融機関が破綻しました。
直近では、2023年3月にアメリカの銀行が相次いで破綻し、金融不安が高まりました。日本でも、日銀の植田総裁が金融緩和政策の修正を示唆した途端、株価が急落する場面が見られました。
これらの事例は、金融市場が予期せぬ要因で急激に変動する可能性を示しています。投資家は常にこのリスクを意識し、適切な対策を講じる必要があります。
暴落対策ができれば市場は絶好の投資先
株価大暴落の仕組み
株価の大暴落は、通常、複数の要因が重なって起こります。
主な要因としては以下のようなものが挙げられます
- 経済の先行き不安:景気後退や金融危機の懸念が高まると、投資家は株式を売却し、より安全な資産へ資金をシフトさせます。
- 投資家心理の悪化:悪いニュースや噂が広まると、投資家のパニック売りが始まり、株価の下落に拍車をかけます。
- レバレッジの解消:多くの投資家が借入金で投資している場合、株価下落時に強制的に株式を売却せざるを得なくなり、さらなる下落を招きます。
- アルゴリズム取引:コンピューターによる自動売買が、一度始まった下落を加速させることがあります。
- 流動性の枯渇:売り注文が殺到する一方で買い手がいなくなると、株価は急落します。
これらの要因が複合的に作用し、株価の大暴落が起こります。一度暴落が始まると、悪循環に陥りやすく、短期間で大幅な下落を引き起こす可能性があります。
大暴落しても株式市場は存在する
バフェット指数とは
バフェット指数は、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が考案した指標で、株式市場全体の割高感を測るものです。この指標は、株式市場の時価総額をGDP(国内総生産)で割って算出します。
バフェット氏によると、この比率が100%を超えると株式市場は割高、80%を下回ると割安とされています。2024年現在、米国のバフェット指数は150%を超える高水準にあり、株式市場が過熱状態にあることを示唆しています。
興味深いことに、バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ社の2024年の現金保有額は過去最高の1,500億ドルを超えています。これは、バフェット氏が現在の株式市場を割高と判断し、投資機会を慎重に待っていることを示唆しています。
このような大投資家の動きは、個人投資家にとっても重要な参考指標となります。市場が過熱している可能性がある現在、慎重な投資姿勢が求められるかもしれません。
バフェットの資産比率を真似るのも有効な対策
少額投資でも買付余力は大切に
投資を行う上で、投資資金の総額に関わらず、常に一定の現金(買付余力)を確保しておくことは非常に重要です。
これには以下のような理由があります
- 機会への即応:市場の急落時に割安な銘柄を購入する機会を逃さない。
- リスク管理:予期せぬ出来事に対応できる余裕を持つ。
- 心理的安定:全資金を投資することによる過度のストレスを避ける。
- 分散投資の実現:新たな投資機会が現れた際に対応できる。
- 柔軟な資金管理:必要に応じて投資額を調整できる。
少額投資家にとっては、この買付余力の確保がより重要になります。なぜなら、総資金が少ないほど、市場の変動による影響を大きく受けやすいからです。
常に一定の現金を保有することで、市場の急変にも冷静に対応することができます。
低リスクハイリターンの累積を目指す
ポジショニングデイトレで現金比率を最大化
金融危機や株価大暴落が予見される場合、投資家は早めに行動を起こす必要があります。
その一つの方法として、「ポジショニングデイトレード」という手法があります。
- ポジショニングトレードとは、中期的なポジション(株式保有)を多数維持しながら、数日から数週間といった中長期的な視点で売買を行う手法です。
具体的には、保有銘柄の中から、毎日最も値上がりが期待できる銘柄を売却し、現金比率を高めていきます。
これにより、以下のような利点があります:
- リスクの分散:多数の銘柄に分散投資することで、個別銘柄のリスクを軽減。
- 機動的な対応:日々の相場変動に応じて、柔軟に売買を行える。
- 現金比率の向上:売却を進めることで、徐々に現金保有比率を高められる。
- 損失の最小化:暴落時に全ての株式を一度に売却する必要がない。
- 心理的負担の軽減:急激な売却ではなく、段階的に現金化することで精神的ストレスを軽減。
ポジショニングデイトレードは、市場の大きな変動に備えつつ、暴落時に備えた資金を多めに確保しやすくなり、上昇トレンドの恩恵も享受することができます。
常に市場のリスクを意識し、適切な対策を講じることで、大暴落の際にも冷静さを保ち、資産を守りながら、さらなる投資の機会を伺うことが可能となります。
これまでの株式市場を見る限り、株価が大暴落して損失を大きく出すケースが多い反面、大暴落のタイミングこそ売買利益や配当利回りを大きく享受することができる最大の機会であるともいえます。
株価大暴落時こそ絶好の投資チャンス
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