2024.11.20 Wed 2024.11.21
電通クライシス純利益93%減の衝撃
驚愕の93%減益なのに謎の報道規制⁈
広告業界の巨人・電通グループが205億円の大幅減益を発表。
前年同期比で利益が93%も消し飛んだのに、テレビも新聞も触れようとしない異常事態が起きています。
- 実は電通は、日本の主要メディアに絶大な影響力を持つ”アンタッチャブルな存在”
テレビ、新聞、雑誌、ラジオなど、メディア四大媒体すべてが電通と密接な関係にあるんです。
YouTubeなど比較的自由なはずのネットメディアでも、この話題を避けているチャンネルが多数。
その不気味な静けさの背景には一体何が…?
専門家が警告する大企業と広告業界の未来
- ネット広告市場の急成長で従来の戦略が通用しなくなっている
- グローバル競争についていけず、近い将来に大きな転換期が
- 企業統合や合併で生き残りを図る可能性も
現在、ネット広告市場はすでに伝統的なメディアの広告市場を超えているとされていますが、その市場は細分化され、複雑化しています。
電通のような大企業には、この変化がさらなる損益の原因となっているのかもしれません。
今回は広告代理店として圧倒的な覇権をもっていた電通グループについて、第3四半期決算報告をもとに推察してみます。
電通グループとは
まずは電通グループについてどのような企業であるかをあらためて確認してみます。
電通グループは、日本最大手の総合広告会社であり、グローバルに展開する世界有数のマーケティングコミュニケーショングループです。1901年に創業し、120年以上の歴史を持つ企業で、日本の広告業界においてトップポジションを確立しています。
主な特徴は、総合的なマーケティングソリューションの提供にあります。広告制作だけでなく、メディアプランニング、デジタルマーケティング、コンサルティング、データ分析など、包括的なサービスを展開しています。日本国内の大手企業の約8割とビジネス関係を持ち、その影響力は極めて大きいと言えます。
近年はデジタルトランスフォーメーションに対応し、AIやデータテクノロジーを活用したマーケティング戦略の提案に注力しています。
電通グループは、単なる広告代理店から、戦略的なマーケティングパートナーへと進化を遂げており、CXやCT&Tなどの事業領域における企業のブランディングや市場戦略に大きな役割を果たしています。
国際的にも、世界30か国以上に拠点を持ち、グローバル企業のマーケティングコミュニケーション戦略をサポートする重要な存在となっています。
日本最大の広告代理店の一つ
電通グループ2024年度第3四半期連結損益
2024年度 第3四半期 決算説明会動画より、連結損益についてまとめてみます。
まず日本では過去最高の売上総利益(粗利)を記録したことをアピールしていますが、実質的に重要な損益の数値紹介が次のようになりました。
第3四半期期までの連結損益
- 売上総利益は8583億円 前年同期6.3%増
- 営業利益は 289億円 前年同期40.2%減
- 当期利益は 15億円 前年同期93.1%減
発表動画内で電通が新たに取り組んでいる事業領域である、CT&Tとは「クリエイティブ・テクノロジー&トランスフォーメーション」のこと。
電通が独自に定義した造語で一般的な業界用語ではなく、電通の戦略や事業領域を表現するために使われています。
CT&Tをより分かりやすく言えば、従来の広告事業にとどまらずクライアント企業のビジネスモデルや戦略そのもの、上流工程から深く関わっていくビジネスモデルと位置付けています。
CT&T事業は2023年度には粗利の構成比の32%まで向上してきたが、2024年度 第3四半期時点の構成比では29%に低下しています。
前年同期より低減している理由は、主力事業の日本での広告事業好調を理由としているが、当期利益が93.1%減となると、いささか説得力には欠ける印象だ。
オーガニック成長率、つまり事業自体の純粋な成長率は国内においては2.3%プラス、欧州・中東・アフリカで1.8プラスとなっているが、アメリカでは4.5%マイナス、アジア太平洋ではマイナス8.4%と、海外で苦戦しているようだ。
調整後営業利益は前年同期11億円の減益となりほぼ横ばいの状態だが、現状維持がやっとという印象を受けます。
調整後営業利益とは想定外の出費を除いた利益部分のこと。
電通も危機感を感じている
連結業績予想のさらなる下方修正
連結業績予想では次のように修正している。
2024年度の営業利益は 920億円としており8月の公表より14.1%減の下方修正となるが前年度より466億8千万円の増益予想している。
2024年度の当期利益予測は235億円としており8月の公表より36%減の下方修正で前年度107億1千万円の赤字から342億1千万円の増益で黒字転換を予想している。
ただし前期の同時期の純利益が219億円に対して今期が15億円なので、前年度の企業買収時に支払われたのれん金額と、対象企業の実際の資産価値の差額がどれだけ埋められているか次第で、年次の通期決算は大きく変動することが予想される。
注目すべきは純利益が93%減という点だ。先日リストラ9000人の計画を発表した日産は、第2四半期の純利益を93%減と同程度の比率で純利益を減らしている。
前年同期と比較して純利益が93.1%減の大きな要因の一つがCX事業の不調ともいわれている。
CX事業(Customer Experience)とは、顧客体験の改善に重点を置き、顧客の満足度やブランド価値を高める提案や支援を行う事業です。
わかりやすい業務イメージでいえば、クライアント企業に直接電通のマーケターなどが出向して、内部的なビジネスサポートを直接提供するような事業です。
より企業の内部にまで入り込む戦略
純利益が減少するということ
企業は売上の大きさや企業規模よりもキャッシュフローや利益の割合の方を経理の専門家は重要視する。
通期決算でどの程度下方修正されるかによっても、場合によっては大規模なリストラや事業売却などを迫られる可能性は極めて高いことが推察されます。
電通グループの過去四年間の決算では世界的な感染症の影響もあるが2期は大きな純利益の赤字決算となっており、4期通算しても純利益は約30億円の赤字となっている。
さらに売上高は年次で上昇しているにもかかわらず、営業利益にバラつきがあるのは経営が非常に不安定な経営状況といえるでしょう。
決定的な衰退を迎えるまで、大手メディアが大きく報じることはないかもしれませんが、いずれ来る変革の波に電通がどのように対応していくのか目が離せません。
予想される企業統合や合併の動き、ネット市場のグローバルスピードに適合できなくなり、なんらかの大きな変革が起きることはほぼ間違いないといえるでしょう。
売上高は実は重要ではない
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