2024.12.07 Sat
年金のおさらい
まずは年金制度を簡単に理解する
年金制度に関する知識は、多くの人にとって複雑に感じられるかもしれません。
しかし、基本を理解することで、将来の計画が立てやすくなります。
このコンテンツでは、日本の年金制度を簡単に、わかりやすく説明します。
年金の基本をマスターして、自分のライフプランに役立てましょう。
また、年金は加入期間や年金種別、所得や受給開始時期、家族構成や法制度の改正など複数の基準によって受給できる金額は変動しますので、あらかじめご了承ください。
年金の種類
日本の年金制度には、大きく分けて二つの種類があります。
①国民年金(基礎年金)
全ての日本国民が20歳から60歳までの間に加入する基礎的な年金です。
国民全員が加入が義務付けられている年金制度です。
- 自営業者や学生が該当する第1号被保険者
- 会社員の配偶者が該当する第3号被保険者
自営業者や会社員で厚生年金に加入していない人、学生、専業主婦など、あらゆる人が対象となります。
②厚生年金
主にサラリーマンや公務員が対象で、勤め先を通じて加入する年金です。
会社と従業員が共同で保険料を支払い、老後の生活を支えます。
建前上は、保険料を按分している形式になっていますが、実質的には企業が全額負担して労働者賃金から差し引いていることになります。
また厚生年金は国民年金と別々になっているわけではなく、国民年金に追加する形で厚生年金に加入していることになります。
厚生年金は2階建ての制度になっているため、国民年金よりも厚生年金加入者の方が年金受給額が多いのはこのためです。
それぞれに異なる特徴があり、自分がどの年金制度に該当するかを知っておくことが大切です。
厚生年金の圧倒的な優位性
年金の月額保険料
国民年金の保険料は、毎年見直される定額制で、2024年度は1か月16,980円です。
前年度比で3%も上昇しており、50年前の900円からは約19倍と大きく上昇しています。
一方、会社員の場合、給与の18.3%が厚生年金保険料となります。会社員の負担は半分の9.15%です。
厚生年金は給与に応じた比例制で、その保険料は雇用者と会社が折半して負担します。
厚生年金は50年前は7.6%でしたから約2.5倍ほどになっています。
自分自身の負担額を把握しておくと、家計管理にも役立ちます。
増大し続ける年金額
年金は何歳まで支払うのか
①国民年金の場合
基本的に60歳まで保険料を支払う必要があります。
現状は条件によっては任意加入として65歳まで納付を延長して、高齢任意加入被保険者となることも可能です。
ただし、65歳までの延長が2025年の通常国会で制度の改正案提出が予定されており、45年間に延長される可能性が有りますが、実現性はかなり低いかもしれない。
②厚生年金の場合
会社員の場合、原則として働いている期間は定年まで支払います。
65歳から基本の年金受給は可能ですが、会社員で働く場合は70歳まで加入することが義務付けられています。
70歳を超えて加入する場合は、任意で加入できる厚生年金の高齢任意加入被保険者として申請することで、75歳まで加入が可能です。
75歳を超えると厚生年金は健康保険も含め自動離脱となり、後期高齢者医療制度が適応される。
受給条件を満たさない場合や長く働く場合に年金保険料をより多く積み立てたい場合に検討の余地があるかもしれません。
年齢引き上げで年金は維持できるのか
年金はいくら支給されるのか
年金の支給額は個人の収入や支払った保険料により異なります。
国民年金では40年間保険料を納付していれば、一律で約65,000円(月額)が支給されます。
一方、厚生年金は、収入に応じて支給額が増え、40年前後の加入で平均的には月々約150,000円から200,000円とされています。
これを基に、老後の生活設計を考えることが重要です。
二階建てでもらえる方が断然有利
老齢厚生年金と老齢基礎年金の違い
老齢厚生年金は、厚生年金保険に基づいて支給されるもので、老齢基礎年金は、国民年金に基づく支給額を指します。
簡単に言えば、老齢基礎年金はすべての国民が受け取れるベース部分で、老齢厚生年金は厚生年金加入者に上乗せされる支給部分となります。
それぞれ受給時期が違うので会社員は要注意
繰り上げ受給と繰り下げ受給はどちらを選ぶべきか
60歳から受給可能な繰り上げ受給は、受給時期を早くすればするほど減額率が1ヵ月あたり0.4%減ってしまい、その後も減額率が適応されるので要注意です。
早く受給できるが生涯の受給額は少なくなるのが繰り上げ受給。
繰り下げ受給は66歳以降から最長75歳まで受給開始を伸ばすことが可能。
増額率は1ヵ月遅らせる度に0.7%増えて、受給開始を遅らせるほど生涯受給額は増える。
実際には一概にどちらがお得とは言えず、ご自身の健康寿命やライフスタイル、他の収入源など複数の観点から慎重に決めることが求められます。
平均寿命と健康寿命はちがう
年金は貰えなくなるのウソ
最後に、将来年金はもらえなくなるという噂がまことしやかに流れることがあります。
少子高齢化社会において、年金が貰えなくなるのではないかと不安に思う人もいるかもしれません。
しかし、日本政府は年金制度の持続性を高めるために様々な改革を行っており、財政難でもらえなくなるといわれているのは根拠のない噂といえます。
政府が財政責任を持つことが法律で定められており、保険料と税金で運営される仕組みが確立されています。
将来的な給付水準の調整は行われるが、制度自体がなくなることはなく、マクロ経済スライドによる給付の自動調整機能で持続可能性を確保しています。
税収で運営するのは物理的な無理があるのは明白ですが、日本は通貨発行を自国で賄っているわけですので、歴史的な有事がない限り現状の年金制度が破綻することはあり得ないといえるでしょう。
そのため、年金が全く支給されなくなるというのは大きな誤解ですし、そもそも年金が受給できなくなると、あらゆる社会保障制度に矛盾が生じるため、現在の日本社会は維持されなくなります。
年金は必ずもらえる
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