50年前に確実視された少子高齢化社会

1970年代、日本の人口統計の専門家たちは、すでに現在の少子高齢化を予測していました。当時の国立社会保障・人口問題研究所の推計では、21世紀には出生率の低下と高齢者人口の急増が起こることを、データをもとに明確に示していたのです。

しかし、高度経済成長に沸く当時の日本では、この警告は真剣に受け止められませんでした。「人口減少なんて遠い未来の話」と、多くの人々は楽観的に考えていたのです。

実は、1960年代後半から出生率は徐々に低下し始めており、専門家たちは次のような具体的な予測を示していました：

• 2025年までに4人に1人が65歳以上になる
• 2050年には総人口が1億人を割り込む
• 労働力人口の著しい減少

これらの予測は、現在のわたしたちが直面している現実と、ほぼ一致しています。

50年前の予測が的中したという事実は、人口動態の変化が非常に長期的な視野で捉えられるということを示しています。そして、この教訓は現代を生きる私たちに重要なメッセージを投げかけています。将来の社会課題に対して、より早い段階から具体的な対策を講じることの大切さを、改めて考えさせられるのです。

50年前に予測されていた現在

家計と企業を圧迫する税負担の実態

私たちの暮らしを直撃する消費税。表向きは消費者が負担する間接税とされていますが、実態は企業が負担を強いられる直接税となっています。特に、中小企業や個人事業主にとって、この負担は年々重くなる一方です。

特に深刻なのは、この負担構造が若い世代に重くのしかかることです。収入が少ない若年層ほど、実質的な税負担率が高くなる「逆進性」の問題が生じています。

逆進性とは、収入が少ない人ほど相対的に重い税負担を強いられることを指します。例えば、消費税は所得に関係なく、すべての人が同じ割合で支払うため、収入の少ない人にとっては生活費の大部分を占めることになります。これでは、家計が圧迫されるのは当然です。また、社会保険料の高騰も、企業が雇用を控える要因となり、若年層の就職機会や安定した生活を脅かしています。

企業の資金繰りが厳しくなれば、当然、従業員の給与も上がりにくくなります。結婚や出産に必要な経済的基盤が築きづらい状況は、少子化に拍車をかける要因となっているのです。

これらの課税制度が少子化を助長しているという見方もできます。経済的な不安定さが子どもを持つことへのハードルを上げ、結果として出生率が低下してしまうのです。私たちが直面しているこの状況は、ただの経済的な問題ではなく、未来の社会にとっても深刻な影響を及ぼします。

このような状況は少子化対策を掲げる行政府自体が、まるで計画的に人口抑制を図っているかのような様相を呈しています。税制や社会保険制度が、結果として若い世代の結婚・出産への意欲を削いでいるという現実は、真剣に考え直す必要があるでしょう。

私たちの社会が持続可能であるためには、若い世代が希望を持って結婚・出産できる環境づくりが不可欠です。そのためにも、現行の税制や社会保険制度の在り方を、抜本的に見直す時期に来ているのではないでしょうか。

税制度と人口減少は符合する

実質賃金があがらない理由

日本で一般的な最低限の生活をするには物理的に必要な金額があり、所得を超える生活をすると世帯の負債が増えて破綻し、所得を下回る出費で生活すれば、貯蓄が増える仕組みになっています。

最低賃金や企業の基本給はこれらの基準を目安に決められており、ほとんどの場合は実質的に経費対成果で算出されているわけではないことは経理に詳しい人であれば熟知していることです。

だから公務員や大きな企業の会社員以外は、よほどの社内的ディーリングをしない限り生活するだけで精一杯の独身世帯の人を増やす仕組みにすることで、システマティックに仕事と生活と趣味で終える人生がデザインされていることは容易に推察できるわけです。

ただ、この仕組みやシステム運用を一側面だけで肯定的にも否定的にも論じることはとても難しく、賛否を問う本質的な結論を見出すことは困難であるといえます。

大切なことは、私たちはこうした仕組みの中で調整されながら人生を送るようになっていることを、しっかりと認識していくことではないでしょうか。

上がらないのでなく上げない

制度設計により消滅する遺伝子

今から150年ほど前の1874年(明治7年)には、日本の人口は 約3,500万人ほどとされています。
この数値は1871年(明治4年)に戸籍法が交付された日本最初の戸籍(壬申戸籍)に基づいて当時の日本の総人口が初めて戸籍に基づいて推計された人口になります。

それから100年ほどすると日本の人口は1億人を超えており、3倍以上の急激な増加をとげました。

ところが日本の人口は2004年前後にピークアウトして、年々日本人の人口は急速に減少することになります。
同時に、一定期間で女性が生涯に出産する予測値である合計特殊出生率も年々下降してきており日本総研によれば2024年度は前年度を下回る1.15人になると推計されています。

そこに所得設計で多くの人が維持したい生活水準や男女問わず独身でも十分に生活していける収入を得られる仕事を続けることで、生産労働人口層の多くが生活費負担や税負担が増加することが明白な出産による所得と時間の制限を避けることを促進しています。

結果として自身の遺伝子を継承させることが選択出来ない人、自発的に選択したくない人が多くなるように制度設計されていることが伺えます。

こうした制度設計によって独身サラリーマンの多くは、自然消滅するように計画されていると推察するには十分といえるのではないでしょうか。

事実としてこの制度設計は成功しており、総務省が算出する2100年の中位推移では、日本人の人口は明治時代後期の人口と同水準の4700万人程度まで縮小していくと推計されています。

実質的に、結婚や出産、人口減少やそうなるべき制度設計の是非を安易に問う事は難しいのですが、シュリンクジャパンは江戸時代の日本のように閉鎖的な後進国に逆戻りする可能性が極めて高いという状態であることを示唆しているかもしれません。

どこかのタイミングで人口統制を量子コンピュータとAIで制御して国家運営がされる可能性はあるものの、まだもう少し時間がかかるのではないでしょうか。

いずれにしても、租税や社会保険税というのは独身サラリーマン自然消滅計画の表層であり、見えない部分で幾重にも自発的に消滅するような仕掛けが実行および計画されているはずです。

私たち一人一人は人間が生まれてきたことや遺伝子を継承することについて、それらの仕組みをしっかりと認知した上でどのような判断や決断するかを決定しながら、限られた人生という時空間を泳ぎきらなければなりません。

人口デザインが実施されている