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2023.07.19 Wed  2024.01.23

iDecoの仕組みとメリットで老後資金が節税できる

生活施術

iDecoの仕組みとメリットで老後資金が節税できるのイメージ

iDeco(イデコ)について

iDecoとは、国が主導する個人型確定拠出年金(Individual Defined Contribution Pension)の略称です。

個人型確定拠出年金とは、自分でお金を貯めて、自分でお金を増やす年金タイプの一種の投資のことです。

老後の資産形成に役立つ制度ですが、どのように利用するのでしょうか。

この記事では、初心者にもわかりやすく、iDecoの仕組みから適している人、申し込みの流れまで、以下の項目に分けて説明します。

Youtube動画はこちら

iDecoの仕組みとメリット

iDecoは、自分で運用方針を決めて、毎月一定額を積み立てる年金制度です。

もともとは自営業やフリーランス向けに設立された個人確定拠出年金制度でしたが加入者が増えないため2017年を境に、ほとんどどのような人でも加入できるようになりました。

またそれまで個人での加入年齢の上限は原則60歳となっていましたが、法改正により2022年5月から加入のための年齢上限は5年間延長の65歳までとされ、2022年4月の法改正で受給開始年齢は60歳~75歳になるまでの間で受給請求することが可能になっています。

さらに、2022年12月には厚生労働省の審議会は、個人での加入年齢の上限を、今の65歳未満から70歳未満に引き上げることを了承しており今後年齢上限はさらに引き上げられるでしょう。

基本的に60歳以降は国民年金の加入が必須となるようなのですが、国民年金は60歳までしか加入できないため、社会保険に入って働いている方で厚生年金等の公的年金に加入していれば継続可能とされています。

また国民年金の40年について未納期間があれば”任意加入”で国民年金加入が可能なようです。

これらの制限は今後も変更される可能性が極めて高いため、定期的に厚生労働省の発表を確認する必要があるでしょう。

iDecoの話にもどりますが、積み立てたお金は掛金が全額所得控除となるため所得税や住民税が減税されます。また、運用益も非課税です。

  • 運用益は厳密にいえば受給時に課税されるので完全に非課税とはいえません。

またiDeco等の掛け金は所得控除の対象となりますが社会保険料が安くなったり控除されるわけではありません

つまり、iDecoは税制優遇を受けながら、自分の好きな投資商品に資金を分散させることができます。

iDecoのメリットは、以下の通りです。

  • 所得税や住民税が節約できる
  • 運用益が非課税である
  • 自分に合った投資商品を選べる
  • 老後の個人退職金や収入源となる

iDecoの具体的な税制の免税効果は、以下の3つです。

自分で拠出する場合掛金は全額所得控除となり、

  • 所得税と住民税の負担が軽減される
  • 利息・配当・売却益などの運用益は全額非課税
  • 受取時も一定額まで税制優遇(かなり複雑)

一時金(一括受け取利)の場合は退職所得控除が受けられ、年金(分割受け取り)の場合は公的年金等控除を受けられる。

一部を一時金(一括受け取利)で受け取り、残りを年金(分割受け取り)で受け取った場合には、それぞれ退職所得控除と公的年金等控除がうけられる。

退職所得控除の計算方法と控除額

iDecoの受給を一時金(一括受け取利)で受け取る場合は退職所得控除の減税効果を利用することが可能です。
ほかの退職金と同時に受け取ると節税効果がなくなり税負担が大きくなる場合があります。

退職所得控除額の計算の表
勤続年数(=A)
退職所得控除額
20年以下
40万円 × A
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超
800万円 + 70万円 × (A – 20年)

例えば、勤続年数が30年の場合には、退職所得控除額は1,500万円となります。退職金は1500万円まで非課税となりますが、それ以上の退職金には所得税と住民税が発生する課税対象の退職所得扱いとなるので注意が必要です。

ただし、退職所得控除が改正される可能性は高いので、上記の控除額は変更または廃止される可能性があります。

公的年金等控除と計算方法について

公的年金は、所得税法上、雑所得に分類され課税対象です。
年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて所得金額を計算します。

公的年金等の支払を受けるときは、原則として収入金額からその年金に応じて定められている一定の控除額を差し引いた額に5.105パーセントを乗じた金額が源泉徴収されます。[令和4年4月1日現在法令等]

(注) 平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間に生ずる所得については、所得税とともに復興特別所得税が源泉徴収されます。

公的年金等控除の計算方法は以下の5つの条件により異なります。

  • 年齢が65歳以上と65歳未満
  • 年金以外の雑所得等の年収が1000万以下
  • 年金以外の雑所得等の年収が1000万以上2000万以下
  • 年金以外の雑所得等の年収が2000万以上
  • 公的年金等の年間の収入額

算出方法はNo.1600 公的年金等の課税関係

また、公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には確定申告の必要はありません。

いずれにしても全体の控除額が数万円程度であれば、ややこしい控除計算をする価値はあまりないようですし、数十万円以上課税が変わるようであれば、しっかり節税のため受給方法を検討する価値はあるといえ、個々の収入状況やそのほかの年金や退職金と相対的に考慮することが推奨されます。

iDecoは年金と退職金の両方の控除が受けられる

iDecoに適している人

iDecoは、以下のような人に適しています。

  • 所得が安定して高く納税額や社会保険料が高い人
  • 自己資産に余裕があり長期的な資産形成を目指す人
  • 公的年金だけでは不安で自己判断で投資したい人

iDecoは65歳未満までは加入可能な年齢(2023年7月現在)になりますが、60歳に受給を開始するには60歳までに10年以上の積み立てが必要になります。

ですので、基本的には月額一定金額を解約せずに継続して拠出できる人が向いています。

2023年7月現在のiDeCoの拠出限度額は、第1号被保険者(自営業者等)は月額6.8万円、第2号被保険者(会社員・公務員等)うち国家公務員や1.2万円まで、企業年金ありの人は月額1.2~2.0万円、企業年金なしの人は2.3万円、第3号被保険者(専業主婦/主夫夫)は月額 2.3万円が毎月積み立てられる限度額です。

さらに企業型DC(上限55,000円)とiDecoの併用は可能ですが、上限額は合計55,000円(2023年7月現在)などやはりややこしい算出が必要になるようです。

また、原則的に60歳まで(2023年7月現在)引き出すことや解約ができず、解約や引き出しには制限があります。

ですので、毎月安定した収入で尚且つ毎月数万円以上の余剰金があって使いみちがないという方が向いているといえるでしょう。

これらの条件もわりとややこしく、非課税枠がiDecoだけに限定されずニーサや企業退職金など横断的に関連してしまうため、煩雑な受給計画を立てる必要があるかもしれません。

そのため、短期的な資金需要がある人や、煩雑な投資に興味がない人には向いていません。

そして、長期運用のため元本割れすることもあるので注意が必要となります。

さらに制度自体が経年で条件変更が度々されるので、それらの変化に対応できる柔軟性が大切です。

掛け金や受給条件は今後も変更の可能性がある

iDecoデメリットと向いていない人

iDecoは、以下のような人に適していないと言えます。

  • 所得が不安定で低く納税額や社会保険料が低い人
  • 自己資産に余裕がなく余剰資金で1年分以上の生活費がない人
  • 税金の支払いが困難で自己判断での投資が難しい人

2023年7月現在のiDeCoは70歳未満まで申込ができますが、毎月5,000円以上を積み立て続けなければなりません。

60歳以降も働き続けたり所得がある高齢者も考慮して法改正が行われているため、今後は75歳未満に引き上げられる可能性がとても高いでしょう。

基本的な拠出は10年以上で60歳まで(2023年7月現在)になるまでは引き出すことも解約もできず、長期間運用を前提とした個人拠出型年金制度であるため余程資金的に余裕がないと、長い年月に固定の金額を積み立てていくことが難しいでしょう。

加入年齢の制限が65歳未満となっており、60歳を超えて加入した場合は5年後の65歳から受給開始することが可能で、60歳までの加入期間が10年以下の場合は、その加入年数に応じて61歳から65歳までに受給が可能になるという、なんとも複雑な仕組みになっています。

死亡した場合や障害を負ってしまったなど特別な場合を除き解約もできず、積み立て金は変更は可能ではあるものの最低毎月5,000円以上の積み立て金が60歳まで拘束されてしまいます。

収入の不安定な職業や所得が少ない人、状況の変化ですぐにまとまったお金の用意がむずかしくなる見込みのある方は新NISAなどの自由度と節税効果の恩恵もある個人向け投資積み立て制度のほうが良いかもしれません。

またいずれの税制優遇を受けても投資信託となるため、長期間の運用で元本割れすることもありますし、トータルでマイナスになる場合もないわけではないので注意が必要です。

そのほか毎月少額とはいえ手数料がかかるため手数料が割高の金融機関の口座の場合は、数十年にわたる長い運用だと同じ銘柄でも10万円前後以上の手数料差が生じてしまう場合があるので金融機関の選択も重要と言えます。

収入が不安定で生活資金に余裕がない場合はNISAの方が適している

iDecoの申し込み方法と注意点

iDecoに申し込むには、以下の手順を踏みます。

  1. iDeco加入資格があるかやiDecoの重複がないか確認する
  2. iDecoの提供金融機関を選ぶ
  3. iDecoの口座開設の申し込み
  4. iDeco口座開設後の投資商品を選ぶ
  5. iDecoの積み立て額を決める

iDecoの提供機関は、銀行や証券会社などがあります。提供機関によって、手数料や投資商品の種類が異なります。自分のニーズに合った提供機関を選ぶことが重要です。

iDecoの口座開設は、インターネットや郵送で行えます。必要な書類は、本人確認書類や収入証明書などです。口座開設後は、提供機関から契約書類が送られてきます。

iDecoの投資商品は、株式や債券などがあります。投資商品によって、リスクやリターンが異なります。自分の目標やリスク許容度に合わせて、投資商品を選ぶことが大切です。

iDecoの積み立て額は、自分の収入や支出に応じて決めます。積み立て額は、最低でも月額5,000円からです。積み立て額は、年度ごとに変更することができます。

さらに自営業や個人事業主、会社員や公務員などの分類や企業DC型iDeco加入の有無などによって毎月の掛け金の上限がことなるので注意が必要です。
一般的な会社員が個人的に申し込む際は現時点では毎月23,000円が上限となっています。

iDecoの契約書類には、自分の個人情報や運用方針などを記入します。契約書類は、提供機関に返送し審査に通過することで、iDecoの契約が成立します。

以上が、iDecoの申し込み方法と注意点です。iDecoは、税制優遇を受けながら、自分の好きな投資を行うことができる制度です。老後の資産形成に興味がある人は、ぜひチャレンジしてみてください。

ただし資金が長年拘束されてしまい、掛け金が元本割れする可能性があることも考慮しておく必要があります。

申し込みは慎重に判断することがおすすめ
  • 著述者:朝倉哲也 / Tetsuya Asakura

    クラウドソーシング専門サービスWebCreatorCloudProject TRIBECA統括責任者。Webクリエイター/Webディレクター。

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