公示送達って何？知っておきたい基本情報

公示送達とは、相手の住所がわからず書類を渡せない時、裁判所の掲示板に書類を貼り出すことで、本人に「渡した」とみなす原告が行える最終的な法的制度および手続きのことです。

相手の住所がわからなかったり、通知を送っても無視されるような場合でも、裁判を進めるために使われる方法が「公示送達」です。

これは、裁判所の掲示板に書類を張り出すことで「届いたもの」とみなす制度です。逃げ得を防ぐための仕組みで、一定の手続きと条件をクリアすれば利用できます。

手続きの特徴

•  裁判所の掲示板に2週間掲示
• 掲示期間満了で送達完了とみなされる
• 官報にも掲載される場合がある
•  最後の手段として位置付けられている

最終的な送達手段

裁判手続きのカギ、調査嘱託と公示送達を理解しよう

裁判をスムーズに進めるには、証拠集めと相手への連絡が欠かせません。この2つを支える重要な制度が調査嘱託と公示送達です。

調査嘱託の重要性

個人では入手できない公的な記録や専門機関の情報を、裁判所の権限で取得できます。
調査嘱託の対象は、公的機関に限らず、裁判所が証拠収集のために必要と認めた「情報を持つ者全般」が含まれます。

つまり、銀行の取引記録、医療記録、不動産登記情報からコンテンツプロバイダ（プラットフォーム事業者など）も調査嘱託の対象になります。

公示送達の重要性

相手が行方不明でも裁判を止めずに済みます。債権回収や離婚調停など、相手方の協力が得られない場合の「最後の砦」として機能します。

公示送達が完了すると以下が可能になります

• 欠席判決の取得（相手が出廷しなくても判決が下される）
• 強制執行の申立て（財産差押え等の法的措置）
• 離婚の成立（調停や審判による離婚手続きの進行）
• 建物明渡し命令の確定（不動産の強制執行準備）

両制度とも、公正な裁判を実現するために不可欠な仕組みといえます。

むしろこの制度がないと加害者が逃げ得になる

法律初心者でも安心！調査嘱託と公示送達のポイント

法律用語は難しく感じますが、この2つの制度は身近な問題解決に役立つ仕組みです。

調査嘱託のポイント

• 「証拠が欲しいけど相手が出してくれない」時の解決策
• 費用は申立人負担（機関により手数料が異なるが通常は切手代等）
• 弁護士に依頼すれば手続きは代行可能
• 内容によっては回答を拒否できる場合もある

公示送達のポイント

• 「相手の住所が分からない」時の最終手段
• 2週間の掲示期間が必要
• 事前に住所調査を尽くす必要がある
• 送達されたとみなされるだけで、実際に相手が知るとは限らない

どちらも専門的な判断が必要なため、弁護士への相談をおすすめします。

ポイントを抑えて上手に活用

意外と知らない？調査嘱託と公示送達の役割とは

多くの人が知らないこの2つの制度は、実は私たちの権利を守る重要な役割を果たしています。

調査嘱託が活躍する場面

•  交通事故の損害額算定で医療記録が必要な時
• 離婚で相手の収入を証明したい時
• 相続で被相続人の財産を調べたい時
•  契約トラブルで銀行の振込記録が必要な時

などで債務者の住所特定が必要な時

公示送達が必要になる場面

•  借金の返済を求めたいが債務者が行方不明
• 離婚したいが配偶者の居場所が分からない
• 建物明渡しを求めたいが借主と連絡が取れない
•  損害賠償を請求したいが相手が住所を隠している

これらの制度があることで、相手方の非協力的な態度に阻まれることなく、適切な法的手続きを進めることができるのです。

なぜか被害者負担が大きい司法税度